『BEACON』「TIMELINEの終わり」考察。
- teto takanashi
- 2022年4月23日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年8月9日
(葬儀の当日+涙)
見晴るかす夢魔を清めて
キミの日はもう永遠に咲く(あなたの為したことは永遠に消えない)
ただ目覚めるだけの暇に(あちらで自由にやってくれ)
恐れた塔の風化を見よ見よ(塔=対象の人物+体調などの変化)
不意に来る崩落さえ万民は見ず(周りのやつは誰も気づかなかったのか?)
揶揄に打たれて夜はいよいよ
キミへの道の秘密語りだす
危機に変わらず
行く星の音は
ずっとキミの声に隠れて
連綿と行く戻れぬ道(死は避けられないものではあるけれど+火葬への道)
ヒトたる所以は焼かれて(ヒトをヒトたらしめるものは人の形をした肉体だったという視点)
キミの日に注がれた呪詛(キミの日=命日+惜しむ声が過剰すぎてもはや呪いのようだ)
ただ目覚めるだけで消え去り(だが、キミが彼岸で目覚めたときそんなものは無関係だ)
妄想に撃たれたキミを抱き上げ(身体が焼かれた後でも「キミの力になれないのか?」という思い)
恐れに暗き胸に星を呼ぶ((※焼かれた後でも助けたいと思っている))
古の声やまずいよいよ
思い出せよと秘密は解け出す
危機に変わらず
行く星の音は
ずっとキミの声に隠れて
唐突に聞く雷鳴のように(急な知らせだった)
生まれてくるキミの日(死んであちらの世界に行くという事はあちらで生まれるという事)
タイムラインをまたぐように(それは生きている時と同様に日付変更線を)
生まれてくるキミの日(自然にまたぐことと同じことだ)
エンドレスの比喩を咲いて(だから恐れる必要はない。あちらでは永遠の命というではないか)
生まれて来るキミの日(ならば誕生日という事だ)
淡々と降るフィナーレの雨
見晴るかす夢魔を清めて
キミの日はもう永遠に咲く
ただ目覚めるだけの暇に
待ち焦がれたと花に聞こえる(花が飾られた祭壇の前に立つ+遺影を前にして)
居たはずもないキミの声が咲き(やっと会えた+遺影の人の声が聞こえる)
呪詛は彼岸でなおキミ殺め(呪詛は続く。まだ殺すのか?もういいじゃないか。)
戻れぬ過去に見る映画の様に(もう手出しできない、変更できないものとして受け止めている)
危機に変わらず
行く星の音は
ずっとキミの声に隠れて
唐突に聞く雷鳴の様に
生まれて来るキミの日
タイムラインをまたぐように
生まれて来るキミの日
エンドレスの比喩を咲いて
生まれて来るキミの日
唐突に聞く雷鳴のように((※2))
生まれて来るキミの日
((※2 この3回目の雷鳴では「死が突然であるのならば、突然こっちに生まれてくることもあるんじゃないか?」という再会に対する淡い期待が込められている気がする))
補足1:「TIMELINE」と「タイムライン」
タイトルのTIMELINEと歌詞のタイムラインは意味が明確に違うと考えます。
・TIMELINE=時間、人生、twitterのタイムライン
・タイムライン=日付変更線
補足2:再生回数が多いのは前奏の長さ・歌詞の内容の分かりやすさなど、複数の要因によりコンパクトにまとまっており、ループ再生での聴きごこちのよさも手伝っていると感じました。
補足3:曲全体にクレッシェンドでレクイエムが流れている。後半(2:25)以降になると音が強まる印象があるので、この曲が鎮魂をテーマに作られていることがよくわかる。

英語講師と言う仕事柄、ボイストレーニングを始めて2年、レッスンで歌う歌を探していて高2の次男に教えてもらった平沢進も「庭師キング」「白虎野」に続き3曲目となりましたが、「TIMELINEの終わり」は最も難解な歌詞です。安易に解読不可能で、言語化することを拒む歌詞なのに、なぜこれだけ惹きつけられるのか?tetoさんの考察は明快で非常に腑に落ちました。晴れ晴れした曲調は、死の悲しみを乗り越えた鎮魂の歌だからなのですね。nao-koala